NDロードスターのデビューは2015年5月。
僕はNDのデビューと同時に購入し、5年で11万kmを走行しました。
発売前から、NDを買うことを心に決めていた僕。
購入を決めた時も、新車注文契約をしたときも、実は実車を試乗したことも見たことすらもありませんでした。
今回の記事では、そんな僕のNDロードスター購入後の第一印象についてご紹介していきたいと思います。
僕が納車直後にNDロードスターに抱いた第一印象は以下の通りです。
- めちゃくちゃカッコいい
- オープンエアモータリングがめちゃくちゃ楽しい
- オープン走行時でも他人の視線は案外気にならない
- 人馬一体感は希薄?
- 意外と素直に曲がってくれない
納車直後の皆さんと感想を共有できたらなと思います。
一つずつ解説していきます。
めちゃくちゃカッコいい
これはもう皆さん同意いただける項目。
納車前から写真や動画で飽きるほど(実際飽きなかったけど)見続けてきたNDロードスター。
それが眼前に鎮座する姿がもう、なんと表現していいのか分からないほどカッコいい!
乗ろうと思って駐車場に向かって歩きますよね。
徐々に見えてくる駐車場に佇むロードスターの姿を見て一人でニヤニヤ。
リモコンキーで解錠してニヤニヤ。
ドアノブに手をかけてニヤニヤ。
運転席に座ってニヤニヤ。
ドライブを終えてからクルマを降りて、家へ戻る途中に振り返ってロードスターを見てニヤニヤ。
終いには仕事中にロードスターのことを思い出してニヤニヤ。
本当にめちゃくちゃカッコいいー!!って感情で、終始ニヤニヤしていました。
ずっとニヤニヤしちゃうほどカッコいい。
オープンエアモータリングがめちゃくちゃ楽しい
オープンエアモータリングがめちゃくちゃ楽しく、あっという間にロードスターの虜になってしまいました。
買う前からオープン走行は楽しいだろうな、気持ちいいだろうなと、ある程度予想はしていました。
しかし、その楽しさ・気持ちよさ・そして中毒性の高さは想像の遥か上でした。
ドライブに出かけて帰ってきても「また今から走りにいきたい」
ドライブに出かけて帰る時も「まだ帰りたくない」
そんなことがしょっちゅうでした。
毎週末のドライブが楽しみ、どころか平日も仕事が終わってから時間さえあればドライブに出かけていました。
特に納車が5月末だった頃もあり、ちょうどいい季節だったので夕涼みドライブがとても捗ったことを覚えています。
オープンエアモータリングの楽しさ、気持ち良さ、中毒性の高さは異常。
オープン走行時でも他人の視線は気にならない
「オープンカーは目立つ」というのが世間一般の認識かと思います。
僕も納車前は目立つだろうし他人からの視線が気になるのかな、なんて思っていました。
しかし実際に自分がロードスターでオープン状態にして乗ってみても、他人の視線なんて全然気になりませんでした。
確かに一部のクルマ好きの若者・おじさんとか子供などがバチバチに見ているのに気づくことはありました。
だけど基本的には視線は気にならなかったかなと思います。
他人の視線を気にするよりも、ロードスターの運転を楽しむことに集中していたって感じですね。
普通、他人がどんなクルマに乗っているかなんてあんまり気にしませんしね。
気にしすぎるのは自意識過剰かもしれません。
他人の視線なんてそんなに気になりません。オープンドライブを思う存分堪能しましょう。
しかしやっぱり目立つのか、知人・友人たちからの目撃報告は頻繁に受けることになります。
運転マナーや運転中の仕草など、あんまり恥ずかしいことはしないように注意していました。
人馬一体感が希薄?
NDロードスターの第一印象では、少々意外でしたが人馬一体感が希薄でした。
これには少し説明が必要かもしれません。
自分のイメージしたクルマの動きと実際の結果がズレるな、しかもそれが結構気になるな、というのが第一印象でした。
ただ乗り込んでいくうちに段々と「ロードスターの人馬一体はすごい!」と思うようになりました。
クルマが体に馴染んでいって、呼吸が合うようになっていったのだと思います。
当時はBMアクセラに約1年ちょっと乗った後の乗り換えでした。
前愛車のBMアクセラに馴染んだ感覚との相違に数日乗っただけでピタッと合わせられるほど器用ではなかったというのが本当のところだと思います。
また次で述べる「意外と素直に曲がってくれない」という印象も、人馬一体感を希薄に感じさせる要因でした。
ただこれもすぐに解消するんですけどね!
前愛車の運転感覚との違いには少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくるととっても人馬一体です。
意外と素直に曲がってくれない
これが一番意外だったのですが、NDロードスターって意外と素直に曲がってくれないじゃんと思っちゃいました。
これには2つありました。
- ステアリングの切り角に応じて曲がってくれない気がする。
→スリップアングルが大きいような印象 - ワインディングの大きめのコーナー等でステアリングの据わりが悪い。
→ライントレース性が低いような印象
ただ、上記どちらも早とちりというか勘違いというか、ってことが判明したので、これからND型ロードスターを購入される方は安心してもらっていいと思います!
以下に少し説明します。
ステアリングの切り角通りに曲がってくれない印象
コーナーを曲がる時、「こんなコーナーならこのくらいのステアリングの切り角で曲がってくれるだろうな」と予想をつけてステアリング操作をしますよね。
この時、ステアリングの切り角のイメージ(=予想)と実際の曲がり方(=結果)のズレが小さいほど、「思い通りに動いてくれた」と感じると思います。
ところがNDロードスターの場合、納車直後の頃はどうもこの予想と実際のズレが非常に大きい印象を受けてました。
しかも、その前に乗っていたBMアクセラではそのようなズレが大きかった印象は無かったにも関わらず。
このズレの感覚がどうしても気になったので、少し注意深く感触を探ってみることにしました。
するとステアリングを切ると妙に手応えが薄くて前輪が滑っているようなフィーリングで、タイヤの実際の角度とクルマが曲がっていく方向のズレが大きいような感覚を受けました。
まさしく「スリップアングルが大きいんでは?」というような印象です。
それで試しにコーナーの手前でアクセルオフして意図的に前荷重の姿勢を作ってステアリング操作するように切り替えました。
すると、それまで感じていたステアリングの切り角のイメージと実際の走行ラインとのズレが一発で消えました。
アクセルオフによる減速で前荷重となって前輪のグリップが上がり、ステアリングの効きが良くなります。
つまり最初に感じた「意外に素直に曲がってくれないな?」というのは僕の運転操作に起因するものだった(要はヘタクソだった)というわけです。
NDロードスターがいかに優れたスポーツカーとは言っても、下手くそな操作をするとスムーズに動いてくれない。
逆に、上手な操作をすることでロードスターの真価を引き出せるということに気づきました。
「これが人馬一体の真髄かー!!」と気付いた時の衝撃は忘れもしません。
こうなってくると面白いものでどのくらいアクセルを戻したらクルマの反応が変わるのか、などを試し出します。
するとすごく微妙な加減のアクセルワークであってもコーナリングの決まり方が変わることが分かりました。
ここからはもうロードスターのドライビングにどんどん、どんどん文字通りのめり込んでいってしまいました。
上手に曲がれるも曲がれないもドライバーの腕次第。そして運転の良し悪しをドライバーに分かりやすく伝えてきます。
ちなみにこの時の「コーナリング前に意図的にアクセルを僅かに戻して最適な前荷重を作るとクルマがスムーズに安定して曲がっていく」という気づきは、後にマツダがGVC(G-ベクタリングコントロール)という技術を発表したことで確信に至りました。
マツダの発表したGVCという技術は、ステアリング操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させ、スムーズにクルマを走らせるという技術です。
具体的にはハンドルを切った時にエンジン出力を僅かに絞り弱い減速Gを発生させて前荷重にすることで前輪のグリップを増大し、舵の効きを良くします。
GVCの作動により生じる減速Gは最大0.05G程度とされており、人間の感知できない微弱なGです。
つまりそれくらい微弱な減速Gでもクルマの挙動や乗り心地に影響を与えるほど、前後の荷重移動は運転において重要な要素だということです。
GVCは2016年に発表され、順次、商品に採用れていきました。ただしFR版の開発はされなかったのか、ロードスターには現時点で採用されていません。
»マツダ|G-ベクタリングコントロール
ステアリングの据わりが悪いような印象
次にコーナリング時のステアリングの据わりが悪いような印象というのを説明します。
アクセルを踏み込んで加速に移ったわけでもないのにステアリングが中立に戻ろうとするような動きと言ったらいいでしょうか。
NDロードスターは初めてのFR車だったので、当初は「FRってこんなものなのかな〜」と思っていました。
しかし当時の雑誌かインターネット記事のインタビューでマツダのエンジニアが話しているのを発見します。
- 「走り込んで馴染ませるブッシュを採用した。なので納車直後は本来の性能、走りではない」
- 「納車直後はコーナーで落ち着かないような挙動が出る。だいたい8,000km〜10,000kmぐらい走行するとブッシュが馴染んでそのような挙動は出なくなる」
これを読んで僕は「なんだ、そうだったのか!ならさっさと10,000km走っちゃおう」と思いました。
そうして走行距離を重ねていくと、確かにマツダのエンジニア氏の言った通り。
僕のNDの場合で約9,000km辺りでライントレース性が低いような挙動は出なくなりました。
ちなみにこのブッシュの馴染みによる挙動の変化は、恐らく2017年秋の改良の際にブッシュを見直したことで改善されています。
改良後の走行距離の浅い試乗車に乗っても同じような挙動は示しませんでした。
NDロードスターはもう発売から6年も経っています。
初期型に乗っていらっしゃる方は10,000kmなんてとっくに走行されているでしょうし、これから新車を買う方にとっても心配な要素ではないと思います。
クルマの素性が悪いわけではなく、単なるサスペンション部品の馴染みの問題でした。
総じて「いいクルマ」感と高い満足感を与えてくれた
以上、僕のNDロードスター購入後の第一印象についてご紹介しました。
まとめると、NDロードスターは購入当初から僕に高い満足感を与えてくれました。
- 世界一カッコいいデザインで所有欲を満たしてくれた
- オープンエアモータリングの気持ち良さが病みつきになった
- クルマを上手に楽しく走らせるにはそれなりの腕が必要と教えてくれた
見てカッコよく、乗って気持ちよく、運転の奥深さを通じてドライビングの楽しさを教えてくれる。
NDロードスターは僕にそのようなことを感じさせるクルマでした。
総じて「いいクルマ」感と高い満足感を与えてくれました。
NDロードスターに対する僕の第一印象についての記事は以上です。
購入から5年で11万kmを走行したロードスターの魅力について語り尽くしてみる試み。以下のリンクからご覧ください。