【運転免許取得以来の夢】僕が試乗もせずにNDロードスターを購入した経緯

2015年5月に輝かしきデビューを飾ったNDロードスター。

僕はNDのデビューと同時に購入し、5年で約11万kmを走行しました。

発売前からNDを買うことを心に決めていた僕。

ですが購入を決めた時も、新車注文契約をしたときも、実は試乗どころか、実車を見たことすらもありませんでした。

まずは自己紹介がてら、僕がNDロードスターに興味を持ち、納車されるまでの経緯をご紹介します。

目次

2014年4月 新型ロードスターのベアシャシー公開

あの衝撃は忘れもしません。

2014年4月16日の北米国際自動車ショーにおいて、新型ロードスターのベアシャシーが公開されました。

新型車のベアシャシーを公開するというのはとても異色のテザープロモーションだったと思います。

ベアシャシーを公開して一体何になるのか。

マツダの意図は何なのか。

新型ロードスターを待望していたファンは、公開されたベアシャシーの画像をみて「なんかやべークルマになるんじゃないか!?」と俄かに騒ぎ出しました。

マツダの狙いはシャシーの画像を公開して新型ロードスターについてファン同士で勝手に妄想を膨らませることで新型のデビューへの期待と注目を集めることだったに違いありません。

そして、そのマツダの狙いはまんまと成功します。

まずは新型ロードスターのベアシャシーが公開された時点で「やべークルマになるぞ!」と思われた理由を書いていきたいと思います。

新型ロードスターを待望しているファンたちの間で特に注目されたのは、主に以下の3つの要素でした。

NDロードスターのベアシャシー公開で注目されたポイント
  • 完全なフロントミッドシップ
  • 後退したシート位置
  • 4本しかないハブボルト

完全なフロントミッドシップ

まず、エンジンの前端が完全に前車軸よりも後ろ側に収まっているのが見て取れました。

つまり完全なフロントミッドシップということです。

これを見れば、ヨー慣性モーメントがかなり低減されていることは容易に想像がつきます。

機敏な運動性をウリにするライトウェイトスポーツカーにおいて、重量物を車両の重心にできるだけ近い位置に配置してヨー慣性モーメントの低減を図ることは非常に重要です。

エンジン前端が完全に車軸よりも後ろ側に収まっていることを見たオタクたちは皆、新型ロードスターの軽快な回頭性への期待を高めました。

後退したシート位置

まずそもそも、2014年の4月に公開されたベアシャシー画像にはシート位置は示されていませんでした。

しかしオタクたちはどうやってシート位置を妄想したのか。

それはつまり、ベアシャシーのPPFからニョキッと生えたシフトレバーの位置でした。

シフトレバーの位置から推測して、シート位置がかなり後退していると妄想したのです。

この時点でボディの外装デザインなど世間には影も形も出てきていませんでした。

しかしこれだけでロングノーズ・ショートデッキのカッコいいデザインが予想できました。

新型ロードスター待望者の多くがこの点に大いに沸き立っていたことを覚えています。

4本しかないハブボルト

ハブボルトの数が4本というのはつまり、ホイールを付ければいわゆる4穴ホイールということです。

当時、4穴ホイールの採用車種といえば軽自動車やコンパクトカーなどの車重が軽量でホイールも小径のものばかり。

安全性基準などの事情により大型化が繰り返された自動車は重くなり、4穴ホイール採用車種は減っていました。

当時現行のNC型ロードスターも、ハブボルトの数は5本。

それが新型ロードスターのベアシャシー画像では4本になっていました。

ハブボルトが4本になったことからオタクたちが妄想したこと
  • ND型はNC型よりも軽量になることが確実とみられること
  • タイヤもNC型の17インチよりも小径化されるであろうこと

ハブボルトの数から上記の2点を推察したロードスターファンの期待は非常に盛り上がりました。

実はこのシャシーのワールドプレミア時、マツダは「現行(NC)型よりも100kgの軽量化を目指していること」をアナウンスしました。

しかしそのようなとても意欲的な目標が本当に達成できるのか?という点に対して疑問を抱く人々も多かったと記憶しています。

しかしハブボルトの数が4本というのはその意欲的な目標が達成される見込みがかなり高いことを裏付けるものでした。

そして登場したND型は実際にNC型よりも約100kg軽量化され、タイヤは16インチで登場しました。

ロードスターファンの期待(と妄想)は急激に高まっていった

上述の通り、新型ロードスターのベアシャシー画像を公開しただけで、ロードスターファンの期待は急激に高まりました。

そして僕もそのうちの一人でした。

当時、2014年4月といえば、僕は新車でBMアクセラを買って僅か1ヶ月でした。

BMアクセラが納車されたばかりというのに、僕の頭の中では「マツダがなんかすごいクルマを発売しようとしている・・・・!!!」という気持ちで支配されつつありました。

今にして振り返ってみると、「マツダ、オタクの生態について理解しすぎでは!!?」と思います。

2014年9月 新型ロードスターのデザイン公開

ROADSTER

ベアシャシーの画像が公開されておよそ半年後の9月、ついに新型ロードスターのデザインが発表されました。

ロードスターのデザインを初めて見た僕はその瞬間、「あ、俺はこの新型ロードスターを買います。買うしかないです」と、その時に即決してしまいました。

当時まだ新型のBMアクセラを購入して半年ほどしか経っていないにも関わらず、です。

新型ロードスターのデザインを見て購入を即決した

僕は新型ロードスターのデザインが発表された時に、購入を即決しました。

「これは買うっきゃない!」と、そう強く思ったのです。

当時、BMアクセラを新車で購入して半年しか経っていないということは関係がありませんでした。

デザインの素晴らしさにぶちのめされたと言えると思います。

「俺はこの世界で一番カッコいいクルマを購入して、乗るのだ!!」

それしか考えられなくなっていました。

新型ロードスターのデザインに対する衝撃はすごかった

クルマのデザインを見て「ああ、このクルマが欲しい」とあそこまで強く思ったことは、今までNDロードスターを除いて一度もありません。

市販車のデザインを見て、あんなに心を突き動かされたのは、最初で最後です。

僕にとってNDロードスターというクルマのデザインは、それほどまでに強い衝撃を与えました。

当時のチーフデザイナーで後の開発主査となる中山氏は、NDロードスターのデザインについて「160cmのスーパーモデル」と説明しました。

イベントで公開された映像を見て、均整のとれた美麗なプロポーションに舌を巻くと同時に、「これがロードスターのサイズで実現できちゃうのか?」と思ったものです。

映像で見るロードスターは全く小さいクルマには見えませんでした。

それは均整のとれた優れたプロポーションだからこそ為せる技であり、中山氏の「160cmのスーパーモデル」とはそれを指しての言葉だったのです。

この日から僕は新型ロードスターのことで頭がいっぱいになっていきました。

2015年3月20日 Web先行商談予約

ROADSTER

ND型ロードスターはWebで先行商談の予約を受け付けていました。

というか予約注文を行うにはWebで商談を予約をする必要がありました。

その時のことも振り返っておこうと思います。

ドキドキのWeb先行商談予約

先行商談予約の時点で希望するグレード/カラー/装備などを入力しなければいけませんでした。

まずは適当な内容で商談予約をしておいて、実際に注文する際に変更することも可能でした。

しかしそうすると納車が遅くなるというのがもっぱらの噂。

だからネット掲示板等ではグレードやカラー選びの話題で持ちきりだったのを覚えています。

自分の場合は割とすんなり決まっていたのであまり迷うこともありませんでした。

ただ、Web先行商談予約の開始当日になり、所定のページで希望するグレード/カラー等を選択した時はとてもドキドキで緊張していたのを覚えています。

焦りは禁物

グレード/カラーなどは早くから決定していた自分。

入力フォームにサクサクと入力していってスムーズに進めていたつもりでした。

しかし内心焦りがあったのでしょう。

予約内容を確定する前、よく見たらATを選んでいました。

慌てて修正するためにまたもう一度最初からやり直し。

入力項目の一つ一つを慎重に入力、クリックして、間違いがないか何回も繰り返しチェックして商談予約を確定しました。

2015年4月4日 予約注文

商談の開始の日は、4月4日(土)でした。

僕は予約通りに商談開始初日の午前10時の開店と同時にディーラーを訪れ、商談もほどほどに注文書にサインしました。

値引きは辛いどころか、ゼロだったと記憶しています。

でもそれでいいのです。このクルマが欲しくて買うんだから。

実は注文書にサインした段階でも、僕はロードスターの試乗どころか、実車を見ることすらできていませんでした。

しかし、不安はほとんど無く、期待が非常に大きかったです。

注文から納車までの期間

ROADSTER

注文から納車までの期間は、早くロードスターが納車されてほしいという気持ちでいっぱいでした。

また同時に、その当時の愛車のBMアクセラとのお別れドライブにもよく出かけていましたね。

毎晩繰り返し興奮する動画を見続け悶々とした日々を過ごした

Webで商談予約をした頃だったか、予約注文をした頃だったか、時期はうろ覚えなのですが、この頃から、毎晩マツダの公式YouTubeチャンネルでNDロードスターのスペシャル動画を繰り返し見ていたことを思い出します。

その動画では開発主査の山本氏とチーフデザイナーの中山氏がそれぞれロードスターに込めた思いを語り、そこにロードスターの走行動画がオーバーラップする、非常に心を掻き立てる動画でした。

その動画の中で中山氏が言った言葉が強く記憶に残っています。

  • クルマに恋をして欲しかった。
  • 人間は誰に教わるでもなくチーターのような動物にカッコ良さを感じる。ロードスターのデザインは、そういう本能に訴えるカッコ良さを目指した。

はい、僕は完全にNDロードスターに恋をして購入した側の人間です。

あなたはどちら側の人間ですか?

本当に毎晩毎晩見ても飽きない素晴らしい動画だったのですが、今では何故か削除されて見れなくなっているのが非常に残念に感じます。

当時の愛車のアクセラとの別れを惜しむ日々

当時のスマートフォンのカメラの画質はなかなかアレですね・・・

正式にNDロードスターを注文したことで当時の愛車であったBMアクセラとの残された時間も気になるようになりました。

BMアクセラとの残された短い期間を楽しもうと、毎週末お別れドライブに出かけていました。

そしてある5月のよく晴れた週末の昼下がりに木漏れ日のワインディングを走っていて、思わず

「あ〜、こんな木漏れ日の道をロードスターで走ったらどんなに気持ちいいか!早くロードスター来てほしい!!」

と心底から思うようになっていました。

当時の愛車のアクセラには悪かったかなぁと思わないではありません。

2015年5月30日 新型ロードスター納車

そんな風にしながらBMアクセラとの別れを惜しむ(?)ドライブを繰り返しつつ迎えた5月30日に、僕のNDロードスターは無事に納車されました。

しかし納車日は雨で、いまいちテンションも上がらないし、結構さっぱりとした1日だったような記憶です。

納車の当日

雨の土曜日でした。

オープンカーの納車日に雨とはまあ縁起が悪いと思えなくもないし、ディーラーの営業からも変更するかと聞かれたと思います。

しかし翌日の日曜日は晴れの天気予報だったので、日曜の朝から目一杯ロードスターを楽しむためにも予定通り土曜日の納車を要望。

ディーラーへ到着すると、整備工場の入り口に、雰囲気に似つかわしくない赤の絨毯が敷いてあり、そこに僕のNDが鎮座していました。

当時使っていたAndroidスマートフォンで撮影。写真の知識なく解像度も横800pxという小サイズ・・・

写真を撮って映えるような場所でもないし、記念撮影もそこそこに、所定の説明を受けて納車が完了です。

屋根を閉めて走るロードスターは普通のクルマだった

納車日はロードスターを受け取ってどこへも行かずまっすぐ帰りました。

雨の中、幌を閉じて走るロードスターは殊の外普通のクルマだと思った記憶があります。

普通とは言っても、走りやすい出来のいいクルマだなという印象を持ちました。

ロードスターとの生活の始まり 夢を叶えた

ROADSTER

そして納車の翌日、予報通りの快晴が広がる空の下で、NDロードスターの本格シェイクダウンを行いました。

前夜は奇しくも会社の同期たちとの飲み会でしたが、僕は早々に切り上げて翌日に備えました。

屋根を開け放って出発し、走り慣れた海沿いの道や山道を走り抜けました。

オープンエアの爽快感、5月の心地よい日差し。

FRならではの素性の良さを生かした素直なハンドリング。鼻先の軽さを生かしてクイクイと軽快に向きを変える回頭性。

「世の中にこんな楽しいクルマがあったのか」

これが僕のNDロードスターとの生活の始まりでした。

そして20歳で運転免許を取得して以来、胸に抱いていた「いつかロードスターに乗りたい」という8年越しの夢を僕はついに叶えたのでした。

一目惚れって言ったって・・・というわけで、僕が一目惚れでロードスターを購入した理由について以下の記事で紹介してみました。

»【デザインに一目惚れして衝動買い】NDロードスターを購入した4つの理由

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このブログを運営している人

2015年5月のNDロードスターデビューと同時に購入し5年で11万kmを走行しました。2020年夏に東京オフィスへの転勤が決まり、それと同時に結婚を決めたので一旦はロードスターを手放すことに。手放したことで「ロードスターのこと大好きだったな」という気持ちを再確認し、記憶の保存と整理を兼ねてブログで情報発信中。

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